土曜日、「食と命の教室」を開催しました
無茶苦茶暑かった日ですが、高柳さんも参加者もみんな休み休み充実した時間を過ごしましたよ
今回はいつもの参加者2人がマーケットに出るとのことで、参加人数は少なめ。
高柳さんが冷やしておいてくれた小玉スイカを水代わりにバクバクたべながら、午前中は1時間ほどお話タイムになりました。
今回のお話は、「昔の大工さんのお話」です。
高柳さんは、今年はお米の乾燥機(?)か何かを新しくするために、
現在、新しい倉庫を建てています。
昔からのつきあいの大工さんなどが家に出入りしています。
そんな話の流れから20年ほど前、家を建て替えた時の話になりました。
昔の日本の家は、150年とか200年持つのが当たり前で、この辺の家は全部そのぐらい持っていたそうです。
で、何代も同じ家に住み続けてきて、ある時「最近、雨漏りがするな、そろそろ建て替えるべ」となった時、その時の世帯主が「番だな」と思って立て替えるそうです。
「番」というのは、顔もわからない何世代も前のご先祖様が家を立替え、それが何世代か続いて自分の時に改めて「立て替える番」というのがまわってきた、という意味です。
以前、どんな風に建てたかは誰もわかりません。
ただ、建て主が棟梁に「こんな風な家がいい」と手書きの紙で平面図のようなものをイメージとして伝えるだけで、あとは、全部棟梁が考えてくれます。
今のように完成予想図や設計図というものがある時代と違って、建て主と棟梁の意図が組み合わさって出来るのが家であって、建て主は棟梁に任せ、棟梁は建て主の意向を組みながら自分の経験を元に「自分の作品」としての家を作っていくわけです。
棟梁は建て主の意向をくむと、材料として柱がこれあけ、板がこれだけ、と必要な材料を経験で算出します。
それを木材屋に買いに行くのも建て主の仕事。
棟梁が柱を立てながら「そろそろ屋根が必要だぞ」と言うと、かわら屋さんを手配するのも建て主の仕事。
「そろそろ壁を作るから、その前に電気屋さんが必要だぞ」と棟梁が言うと、電気屋さんを手配するのも建て主の仕事。
基本的に棟梁が総監督で、しかし、ひとつひとつの仕事は棟梁に任せるのではなく、建て主が「電気屋はあそこの部落の○○にお世話になっているから、かわらはあそこの△△がいいから」と1つ1つ手配するわけです。
いわば、棟梁と1つ1つの仕事の職人さんは一匹狼みたいなもので、そういった職人さんたちがプライドをかけて仕事をしていたわけですね
高柳さんが凄いのは、木材も自分の山で切り出してきたこと
つまり、4mの5寸の柱が何本必要だぞ、といった必要な材木を棟梁から教えてもらうと、それを自分で山に切り出しにいき、山からおろし、材木屋に寸法にあわせてきってもらい、家で1年乾燥させ、それから実際に家を作り始める、、、といった流れで家を建てているのです。
そういったのが昔は「当たり前だった」そうです。知らなかった~。
それが、だんだん「全部任せよう」という流れになり、ハウスメーカーが登場し、いつしか全てハウスメーカーが3ヶ月で作った家を買うのが当たり前になってしまいました。
今ではよほどこだわった人でないと、建築士を頼んで家の設計から材料から選定、なんてことはしないですものね。
しかもお金がないとなかなか出来ないですし。
さて、そんな話をした後、秋冬野菜の種まきへ。
倉庫の屋根の日陰でブロッコリーの種播きです
2月のトマトの苗の時(→こちら)と同様に、セルトレイに培養土を入れます。
高柳さんのところは、おかげさま農場で使っている培養土2種類を混ぜて使っているそうです。
まんべんなく入れたら、平らになるようならします。
次にシャワーで水をかけて土を湿らせます。
土が十分湿ったら、種を播くためのくぼみを各穴の真ん中に指先でちょんちょんと、2~3mm程度あけます。
ちなみに、セルトレイにあわせた突起がついているこんな蓋のよう道具もあります。
これを押し付けると、なんと1回で全ての穴にくぼみができるという優れもの
ただ、ちょっとずれると全ての穴がずれるので、注意して使いましょう。
くぼみができたら、種を1粒ずつ播きます。2粒入ってしまったところはきちんととりましょう。
種を播き終えたら培養土を薄く隠れる程度にかけます。
かけ終わったら、くぼみを無くすようにくぼみに土を入れるイメージで平らにならします。
お母さんは、鹿沼土のあまったものをふるいを使ってかけていました。
同様に、くぼみを無くすようにくぼみに土を入れるイメージで平らにならします。
ここまで出来たら、冬の2月は乾燥防止の新聞紙をかぶせたり、ハウスの中にさらにトンネルを作って入れたのですが、今回はなんと倉庫の日陰のところに重ね置きしても良いとのこと
ただし、2日で発芽するそうで、そこできちんと並べないといけないそうです。
3日置いておくと発芽した苗が上に伸びることができないので変になってしまうので、要注意です。
一仕事終わったら、またまたスイカの登場水分がわりですね
さて、待ちに待った昼食を食べ、今回は暑さが落ち着く15時まで室内でのんびりしました。
その後、畑へレッツゴー
今回は、お盆前までが播種時期のニンジンを播きます。
お母さんが発酵有機ペレットをまきます。
耕転する直前に入れても大丈夫というのだから、本当に発酵しているんですね~。
こういった道具で播きます。
背中に袋をしょって、その中に肥料を入れ、そこからパイプを伝わって赤い大きなスプーンのところに自然に落ちてくるものを左右に振って畑に播くというものです。
お母さんが凄いのは、きちんと種を植える幅に等間隔にまんべんなく播き、かつ畑の向こうに行き着くころに1回分の肥料がなくなるんです。まさに神業
この後、耕転したところにシーダー(播種機)でコーティングされた種を播いのたですが、途中で、テープシーダーが登場しました。
種を播くには手で筋蒔きといって指の間に入れた種を少しずつ筋状に落としていくやり方、シーダー(播種機)をコロコロ転がすやり方など色々あるのですが、テープシーダーは、話はよく効いていたのですが実際には私は始めて見ました。
どういうものかというと、ロールの中にオブラートのように溶ける紙のような紐が2つ入っていて、そこに等間隔に種が入っています。
これで畑の中に2本の紐を貼るイメージです。
昔からニンジンなどセリ科は「競りあって育つ」と言われるように、まずは筋まきして、発芽したら3センチ間隔に間引き、最後には12センチぐらいにまた間引く、といったように、その都度、間引きするやり方が良いといわれてきました。
しかし、テープシーダーは3センチ間隔に種が入っているので、1回目の間引きがいらないので楽で、発芽や生育も筋播きなどに比べて変わらない、というのが高柳さんのお話でした。
農家さんによっては、種屋さんにテープシーダーを畑に入れてもらうところまで任せてしまう人もいるぐらいなんですよ。
人間の知恵、創意工夫って凄いですよね~
ニンジンの種を播いたあと、今日の最後の仕事はそばの実をまきます。
これがそばの実。
根本さんのところに比べると少し白っぽいですね。
「これでそばができたら、みんなで手打ちそばをしような」と高柳さん。
挽きたてのそば粉を使ったそばって、本当に美味しいんですよね~
そばは荒地でも出来るといわれていて、しかも2ヶ月で出来てしまうんですよ。
生命力があるんでしょうね
今日は昼間は本当に暑かったですが、1日、無事終えることが出来ました。
畳の部屋にもどり、最後もスイカ。お隣はキンコウリ。
これほどスイカを食べるなんて、なかなかありませんね
暑い夏の仕事はこれで終わり、次はいよいよ「稲刈り」です
ちなみに、9月14日(土)、15日(日)が「田んぼと畑の耕育教室」で稲刈り、16日(月・祝日)が「食と命の教室」で稲刈りです。
う~ん、ハード
がんばりまっす
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