今年最初の「食と命の教室」

今年最初の「食と命の教室」がやってきました

今年で3年目となる「食と命の教室」。

昨年は、とても多くの方にお申込頂き、嬉しかったのですが、今年は昨年よりもさらにお申込があり、もう満員御礼

真面目に食べ物のこと、命のこと、生き方のことなどを学び合う「場」を欲する時代になったんですね~


さて、最初に高柳さんから食べ物のこと、今の日本の教育が農業を教えなくなったこと、食べ物が原因として色々なことが起きていること、などなど、初めての方からすれば頭をガツンとされるようなお話があったあと、まずは里山の散策です。

里山を歩くというのは、歩く過程で自由にみんなが話せるので、ざっくばらんな良い雰囲気になるという意味でもとても良いんです

そして、田んぼの端の道路で立ち止まって「人はどういったところに住み着いたか」というお話です。



「私は全国各地を歩いてきましたが、大体昔から人が住み着いていたところがわかるようになりました。それは山の裾野で、後ろに山を控え、下に湧き水などが湧いているところですね。昔は、山が水を蓄え、薪を作り、それを燃やして人間は生きていたわけですが、同時に水があるところで田んぼをやっていたわけです。だから今でもこういったところにある集落は、昔からあった古村で、一方で、台地の上などにある集落は、最近できた集落だということがわかるんですね」


人に暮らしてきた背景を思い浮かべながら見ると、普段の風景も、人の歴史や生活が背後にあるという思いが沸くから、感慨深くなりますよね~

そして、しばらくいくと、今度は山の上の畑になります。こういったところは、大体明治以降、つまり100年ほど前に切り開かれて出来た畑だといいます。

この畑で高柳さんは三浦大根が育っているのですが、時期もそろそろ終わりなので、高柳さんから「好きなだけ抜いていっていいよ。ただし持ち帰れるだけね」という説明が。

好きなだけ引っこ抜いていっていいよ、というと、みなさん、ついついみんな沢山抜いてしまうんですよね


今回は子供も2人参加して、仲良く大根抜き


みなさん、1~3kgもある大きな三浦大根を2本、3本、4本とたっくさん重そうに持ち歩いていましたよ


さて、一仕事終えた後は、高柳さんのお母さん(奥さん)の美味しいランチでいっただきま~す

東城百合子さんのお弟子さんの1人も来ていましたが「なんでこんなに美味しいのかわからないぐらい、びっくりするぐらい美味しかったです」というコメントも。

ほんと、ここのご飯はとっても美味しいんですよね~。

そして、昼食の後は、高柳さんから少しギターと歌が披露されてから、お買い物などの休み時間に。


ご飯を食べた頃には、大分みなさんくつろいで「単発で今回申し込んだんですけど、年間に切り替えさせてください」という人も現れるほど。
やっぱりこの教室は、心をつかむ何かがあるんでしょうね~


さてさて、午後は、ミニトマトとナスの種播きです。

恐らく、トマトなどの夏野菜の種が、この時期に播かれるということを知っている人は少ないはずです。

こんな寒い時期ですが、この時期に播かないと、5月の移植時期に間に合わないんですね。
ということで、ビニールハウスの中に、さらにトンネルを作って、二重に保温して育てます。

まず、育苗箱に培養土を平らに敷いていきます。
こんな感じで、凹凸をなるべくなくしてまんべんなく土を均します。


次に、水をかけます。種を播いた後だと水で種が流れてしまうので、必ず種を播く前に水をかけるのがポイントです。


その次に、種を播く窪みを1つ1つのセルの中につくります。

指先で1つ1つ押してへこませても良いですが、写真のように、1つ1つのセルに窪みが出来るよう突起物がついた蓋のようなもので一気にへこませても良いですね。


それから、1粒1粒、ゴマよりも小さな種を1つのセルに播いていきます。

ミニトマトは播いてしまうと全くわからなくなるので、一回り大きなナスの種を播いたのがこちら。
小さいですね~。


この上に、さらに培養土を被せます。


そしてその上に、プラスティックのひごのようなもので、トンネルの骨を作っていきます。
あとは、ビニールを被せて終わりです。


ビニールハウスの中に、このようなトンネルを作るので、種から見れば二重に守られている中で育つんですよね。
これに温床といって、昔であれば踏み床温床、今であれば電熱の温床にすると、1週間ぐらいで発芽します。

高柳さんのは熱を加えないので冷床と言うそうです。
大体2週間ぐらいで発芽し、5月ぐらいまで、約2ヶ月半育ててやっと畑に移せる体になるそうです。
夏野菜って、こんな寒い2月から種をまいて、ゆっくりと育てるんですよね~。

さて、畑仕事が終わったので、一休み。
すると、参加者の1人で、もう何年も天然酵母でパンを焼いているというお父さんが、たっくさんパンを持ってきてくれました
これが美味しい
特に、女性の参加者は、もう目が★マークになっていましたよ


みんなでパクパク食べていると「塩とオリーブオイルがあるとさらに美味しいんですよね」と、その方が言ったのを高柳さんは聞き逃さず、「ひまわり油とかでもいけるのか?」と、下の直売所からひまわり油を持ってきてくれました

う~ん、ひまわりのナッツのような風味が加わって、また絶妙な味に



たらふく天然酵母パンを食べて、みんなお腹いっぱい

そんな雰囲気の中で、今年やってみたいこと、学びたいことなど色々聞きました。

・糀を作ってみたい
・田んぼをやってみたい
・土作りをやってみたい
・稲ワラ納豆作りをやってみたい

などなど、色々な意見が出ましたが、畑をやっている人は「土作り」に関心があるようで、農村生活に関心がある人は「糀作り、稲ワラ納豆作り」といったものが関心があるようです。

いずれにしろ、どれも今の日本の生活ではご無沙汰してしまっているものばかり。

だからこそ、みんな「かつてはみんながやっていた生活」の一部を体験し、持ち帰りたいという要望があるんですよね。


今年は3年目で、半分近くの方は昨年も単発で来たことがある方だったせいか、最初から雰囲気は落ち着いて、和やかに和気あいあいといった雰囲気でした。

来月から、いよいよ本格的に学びが始まります。

この教室に1年通うことで、昨年のようにすっかり生活や生きることについて見方が変わる方が出てくるのでしょうね。

そうなんですよね。

最初は高柳さんのお話に、頭や心がビンビン刺激されるのですが、だんだん、知識や情報ではなく、生き方、あり方そのものに感化されて、みなさん何と言うか、ゆったり、どっしりとした感じになってくるんです。

そういったものが高柳さんの生活、あるいは本来の日本人の生活にはあるのでしょう。

今年もよき出会いに感謝し、これから1年、楽しく深い学びが出来ますように。

来月以降も参加したい方がいましたら、ホームページをご覧下さいね。
詳しくは
→こちらから