食と命の教室 ひまわりの脱穀、唐箕がけ

この(土)(日)の「田んぼと畑の耕育教室」を開催後、後片付けを夕暮れまでやって、体はクタクタ

久しぶりに疲労困憊で、気持ち悪くなるほどではなかったのですが、体の疲れが抜けないほど。。。

(月)は唯一の休日だったので、午前中に家族でお墓参り、午後は子どもと自転車の練習につきあってあげてから、今日の教室の資料作成。

そんな感じで迎えた「食と命の教室」は、体力を振り絞っての運営となりました

今回は4ヶ月ぶりに参加の年間会員さんがいたので、スタートからなんだか「同窓会」のようになって、ワイワイガヤガヤ

高柳さんが夏に作っていた小玉スイカの最後の残りをみんなでお腹いっぱい食べてから、大根の間引きに畑へ行きました。

この辺りでは、大根葉9月6日以降にまけば虫にやられにくいと言われています。

大体の人が中旬までには播いているのですが、高柳家も先週播いたので、ちょうど間引きの時期に。

まず、高柳さんから「根っこをきちんと持って抜いて、終わったら土寄せをして」というお手本。
大体3粒ぐらいまいて、2本を間引きするのですが、株元がぐらぐらするので、土寄せをして安定させるんですね。


それを元にみんなで間引き。このへんでは「オロ抜き」とも言います。


この間引き菜は大量で、みんな山盛りお土産に持ち帰ってもらいましたよ
柔らかいので、二十日大根のようにそのまま食べてもいいし、軽くおひたしにしても、サラダにしても食べれます。


高柳さんはその横で畝間を中耕していました。これで草を抑えると同時に土寄せが出来ます。


さて、みんなでお昼のチャイムが鳴っても集中して間引きをしていたのですが、さすがに13時近くなったので、お昼ご飯へ帰ることに。

途中、高柳さんが運転していた車は寄り道して、道端のあけびと山栗をゲット
アケビは山ブドウと一緒に素敵なザルに載せてって良くみたら、壊れた扇風機の上に載っていました


山栗は普通の栗より小さいのですが、甘くて美味しいんですって。


さてさて、いつものとおり美味しいお昼ご飯タイム。

お腹があまりにすいていたので、今回は昼ご飯の写真を撮るのを忘れてしまいましたが、高柳家に最近出入りしている可愛い親子ネコの写真は撮りました。

2匹でなめあったり、可愛い~


お昼ごはんの後、少し休憩をしてから今度は「ヒマワリの脱穀」へ。

世の中の油はヘキサンといったベンジンような化学薬品を使って高温で化学的に抽出するため、石油臭くなるので、さらにそれを高温で飛ばして油にします。

そのため、皮膚が悪い人などは、油をオリーブオイルやまともなものに変えると治った、という知人もいました。

高柳さんの場合は、油の主原料である大豆が遺伝子組み換えが主流になってきた10数年前に、千葉県の有機農業仲間で始まった「なのはなプロジェクト」という菜の花を栽培して菜種油を薬品を使わず昔ながらの圧搾のみで絞る、というのを始めました。

その後、県から「菜の花のせいで梨の受粉のミツバチが来ないからやめてくれ」という指示があり、今では千葉県では各地で点在する農家しか菜の花は育てていませんが、高柳家は、菜種油、ヒマワリ油、ピーナッツ油など、全て自分で育てた材料を使った圧搾油を使っています。

ヒマワリは何で作っているかと言うと、菜種はどうしてもリノール酸が多く、日本人はリノール酸を摂り過ぎだそうで、オリーブオイルなどに含まれるオレイン酸が高いヒマワリ油も作っているのです。

ヒマワリ油はとてもきれいですよ~

前置きが長くなりましたが、これが収穫し、乾燥させたヒマワリです。


私も2年ほど前にやりましたが、ヒマワリの収穫は丁度、秋の長雨の時期に重なり、収穫が出来るタイミングがなかなかあわず、カビやすく、また脱穀が大変なので1回で止めてしまいました

高柳さんも今年は半分近くがカビなどで捨ててしまったといいます。

さて、この収穫したヒマワリをハウスで乾燥させることで、バリバリの状態になります。
これを手でボロボロと崩すように種を取っていきます。


手で取るの良いのですが、早いのがコンテナを裏返しにしてこすりつける方法。
これだと早く出来ます


そうすると、ゴミも混じっていますがこんな感じになります。


これを今度はふるいにかけて、大きなゴミを取り除きます。
良く参加する中学3年生のお子さんも、こういった農業体験をしてくれます。
中学生から高柳さんと関わっていると、どういった大人に育つんでしょうね?


それを今度は唐箕(とうみ)にかけます。
箕(み)というのは、上の写真にあるザルの下の容器で、昔はそれをフライパンのようにして中のものを宙に浮かしながらゴミを風で飛ばす、という感じでゴミと穀物を分別していました。

それを、羽根車を回すことで風を起こし、上から種を入れてゴミや中身が入っていない軽いものは横に吹き飛ばし、実が詰まっているものだけ重力で下に落ちる、という仕組みを道具にしたのが唐の時代に伝わってきたという唐箕なのです。

1400年以上前の道具が、今も残っているって、本当に凄いですよね~。
しかも、現代も「電動式」の唐箕はありますが、原理は全く同じですから、本当に凄いと思います。
ちなみに高柳家の唐箕は大正時代から使っているものです。それも凄い
ちなみに木製でとても軽いのですが、昔は唐箕は背負って畑にもって行き、その場で作業が出来るように、というのが理由だったそうです。
そういったことも本当に昔の人は凄いな~と思います


さて、唐箕をかけることで、こんなにきれいになるんですよ
ヒマワリだけでなく、色々な穀物をこの唐箕をかけることできれに分別できるんです。ほんと、役に立つ道具です。


あとはこれを更に乾燥させ、大体水分10%以下ぐらいにすると、圧搾できます。
10%というのは、ハウスで晴天の日が1日続けば、カラカラになって達成できます。
逆に曇りの日だとダメですね。
実際に手を突っ込んでみると、その湿気具合というか、カラカラしているかがわかります。

高柳さんが呼びかけした近隣の有機農業農家さん20件ぐらいが持ち寄って、それを油屋さんに出して、来年に分け合う、という流れです。

さて、1作業終えたところに、お母さんがおやつのポップコーンを持ってきてくれました
こちらの微妙に黄色のが塩味。


こちらの白っぽいのが黒砂糖味。


びっくりしたのが、このポップコーンは、このあたりでは「代々作られているもの」ということ。
つまり、外国のもの、というのではないそうなんです


このあたりには「おびしゃ」という言われる行事があって、弓で的を射って、その1年の吉凶を占うというものなのですが、その時に、各村々の代表がこの「あられ」というものを持ち寄るんだそうです。

この「あられ」と呼ばれるものが、いわゆる今回出てきた「ポップコーン」なんだそうです。

このあたりでは、村々で毎年代表が選出され、その代表がこのあられの種(ポップコーンのトウモロコシ)を育て、それを持ち寄り、各村から来た代表がそれぞれもってきた「あられ」を混ぜ合わせた後、また各代表で分けて、各代表が村に持ち帰り、次の年の代表にそのあられを渡すんだそうです。

そうやって、毎年、村の代表があられを育てて翌年につないでいく、という歴史があるんだそうです。

つまり、いつ頃からかわからないほど昔から、このポップコーンのようなものをこの地域では伝統的に作って食べてきたんですね。
ほんと、びっくりしました。

ちなみに同じ成田市でも、この大栄地区は東の外れとすれば、西の外れの八代(やつしろ)という印旛沼周辺からきた参加者は「うちの辺りではあられは「お米」を揚げたものを使います」と言っていました。

地域によって色々な文化があるんですね~


おやつを食べた後、雑談をし、最後にみんなで今年育てた「マンゲツモチ」を刈り、27日のお月見用にお土産にお持ちかえり頂きました

日本の風土や季節にあった伝統を少し体験しながら、また土に触れながら、生き方に刺激を受けていくこの教室。

今回もとっても充実した内容でした

私の体力もギリギリのところでしたが、倒れずに済んでよかったです

今年の「食と命の教室」もあと2回。

味噌作りや稲ワラ納豆などが出来たらいいな~と思います