今年1回目の味噌作り

2019年度最後で今年最初の「田んぼと畑の耕育教室」は「味噌作り教室」です

例年、年始早々の1回目は午後の参加率は低いのですが、今年は午前&午後も両方満席で、まあ賑やかな味噌作りでした

仕込んだ量も午前と午後を合わせて80kg

これだけ仕込む農家さんも最近はなかなかいないのではないでしょうか

 

 

味噌の作り方はシンプルで、大豆&糀&塩を混ぜてつぶして寝かすだけ。

しかし、シンプルだからこそ材料と寝かす期間で味は雲泥の差になります。

私は最初、手作り味噌を食べた時に「こんなに美味しいんだ」と感激し、それから10年ぐらいずっと手作り味噌で、もう市販の味噌には戻れなくなりました。

ただ、今思えば「今の味噌が本当の当たり前の味噌で、それまではちゃんとした味噌じゃなかったんだな~」とわかり、そういった事を参加者のみなさんにも伝えています。

ちょっと前は「無添加味噌」というのが流行り、今はちょっと良いものは「丸大豆使用」というキャッチフレーズがつきます。

実は無添加というのは「アルコール無添加」のこと。

スーパーは「棚持ち」を優先するので、味噌は置いておくと発酵が進んで色味も悪くなるのです。

だから「アルコール添加」することで、発酵を止め、色味を良くするのですが、酵母菌が動かなくなるのでそれが良いのかどうか。

また、「丸大豆使用」というのは、逆に言えば、そう書いていないのは「丸大豆不使用」という事です。

農的生活をしていれば「大豆が丸いのは当たり前」なのですが、70年代ぐらいから「味噌を安くするために」と考えたメーカーが、「大豆カス」を使い始めました。

大豆というのは油分がたっぷりあるため、菜種油やヒマワリ油以上に油をとることができます。

そのため、「サラダ油」というものは、原材料の主が大豆です。

その「油を搾った残った大豆カス」は、肥料や家畜のエサに使われていたのですが、「これで味噌を作れば原材料費が抑えられるじゃないか」とメーカーは考えたのです。

また、糀は普通のお米を使うと高くなるので、いわゆる「くず米」と言われているお米を使います。

塩も天然塩よりやすい「99.9%NaCl」の食塩を使います。

そうすると、1kg300円台という安い味噌が出来るわけです。

また、スーパーの要望に応えていつでも出荷できるよう、仕込んでから3カ月ぐらいで出せるよう「加圧・加温」することで、見た目は味噌っぽいのが出来ます。

しかし、例えば2月に仕込んで10月に食べられるようになる普通の手作り味噌は、8カ月熟成させているわけで、その中で糀菌がミネラルや大豆をパクパク食べてアミノ酸を排出して美味しい味噌になるのに比べ、3カ月で作る味噌は見た目は良くても味は全く良くありません。

そこで、増粘多糖類やらアミノ酸やらいろいろ入れて、「だし入り味噌」という事で売るわけです。

そういったものが外食やインスタント味噌汁では主なので、普通の手作り味噌を食べると「全く違う」となるわけです。

普通の味噌は1kg600~900円ぐらいが相場です。

高いな~と思うのはわかりますが、よくよく考えると、例えば無農薬大豆は1kg600円ぐらいはしますし、糀や天然塩を使うとなると、原材料費が500円以上はいくのです。

そこに手間賃を考えれば、そりゃ、そのぐらいしない味噌の方がおかしいよな、とわかるんですね。

という話を前振りで参加者にしながら、子ども達があきないように、みんなで楽しく味噌作りをしました

材料を混ぜ合わすだけなのですが、みんなの共同作業で美味しくなるよう、工夫しながらやっているので、途中で脱走する子もいるのは当然としながら、頑張った子は褒めながら、午前と午後で3回しこみました。

そして、ミンチは子供達の興味をそそるもの

機械が動く音で興味をしめし、にょろにょろ出てくる味噌にこれまた関心を示すわけです

そして自分で仕込んだ味噌を家で使って味噌汁を食べる、素晴らしい体験じゃあ~りませんか

そんなこんなで、今年1回目の味噌作り、無事に終了しました。

 

ただ味噌作りは、個人的には大変なイベントなんです

午前の部&午後の部のWヘッダーで昼ご飯をとる時間も無く、洗い物&準備→実施→洗い物&準備→実施→洗い物&片付けと、8時から16時まで駆け抜けなくてはいけません

楽しいと言えば楽しいですが、短期集中型のイベントなので、気遣い&体を動かす量も半端ありません。

しかし、みなさん楽しく参加してくれて、そして味噌作りだけ5年ぐらいリピートしている方もいて、人気の回なので、気合を入れて頑張りました

 来週19日も既に満席で、それが終わると今度は2月です。

 1~2月は週末のイベント続きですが、風邪などひかぬよう頑張り走り抜けます