今年最後の「食と命の教室」

11月も終わり。髙柳さんの畑では麦が芽を出し始めました

 

さて、本日、今年最後の「食と命の教室」が終了しました

昨年から急に参加者が増え、それまでは集客に毎年頭を悩ませていましたが、続けてきて良かったとしみじみ思います。「本物」はすぐにではないがいずれ伝わっていくもの、ですね

この2年で参加者の質も変わったと思います。というか、世の中が変わったのでしょう。昔は真剣に環境や食や病気など、問題に対して意識が高い方々が参加していたのですが、今年は同じ問題に焦点を当てていても、もっと気楽に、気さくに取り組もうという考えの方が増えた気がします。

環境問題とか食の問題、というと、ちょっと意識高い系の変わった人、と思われる時代だったのが、この2年で、食の問題、環境の問題、持続可能な社会の問題など、話題にすることが変わった人と思われなくなりました。これも時代の移り変わりなんでしょうね。

さて、今年最後の教室はいつも通りですが、まずは「暖秋」の影響でいつもより早く育った三浦大根の収穫です。

腰をいれないと青首と違ってなかなか抜けないのが、昔の大根の特徴。

こんな感じで、先っちょの直根が長いのでなかなか抜けないのです。

多くの参加者が抜くのに難儀していました

しかし「煮たらもう青首と全然違う、美味いぞ」と髙柳さんが大好きな大根です。

さて、大根を抜いた後は、「白姓」というDVDの視聴です。

これは、7年前、三宅一生のdesign21-21というところで「米」に焦点を当てた文化展で流すために作られて映像です。

髙柳さんの知り合いのフードコーディネーターの人の縁で、撮影者の山中さんという方が来られてきれいな映像とすばらしい内容がまとまったDVDで、きちんと見ると、その日本の文化、米にまつわる生き方、そして自然と共に生き自然と共に朽ちていく死生観など、奥深い内容で、涙が出る事もあります。

たまたま、山中さんが居合わせた時に、私が寺田本家を紹介したことで、寺田本家も出演しているんですよ

みんなで視聴した後、自然に拍手が出ました

それだけ良い内容です。アマゾンでも売っていると思いますよ。

さて、DVDを食べ、今年最後のお母さんのご飯を食べた後は、ちょっとした休憩タイム。

大豆の見学や皮剥きをして中身をもらったりする人、「柚が欲しい」といって柚を穫る人など様々で、髙柳さんも「収奪の時間だな」と笑っていました。

その後、今日の本番、「稲ワラ納豆作り」です。

無農薬の稲ワラをまずはすぐります。すぐる、というのは茎と葉っぱをわける作業で、茎の部分を使って納豆を入れる「つと」という容器を編んでいきます。

「収奪の時間が長かったから寒いな」と髙柳さんが言うように、ちょっと始めたのが遅く14:30ぐらいからだったので、すぐに気温が下がり、かつ、今日は風が吹いていたので「寒い~」とみんななり、経験者は3つ作れましたが、1つしか作らず日向に避難する人もいました

美味しい納豆が出来たらよいですよね~。

納豆作りが終わり、今年も最後に1年のまとめで参加者に1人1人の感想を聞きました。そして、私にもそのおはちが回ってきましたので、例年と同ことを伝えました。

それは「私がこの教室をやっている目的は、多くの人に髙柳さんのような人、髙柳さんのような考え、髙柳さんのような生き方があるということを知ってもらいたい。それはきっと今後の人生に何かしら良い影響を与えると思っているからです」という話。

これが原点で始まった教室です。

私が会社を辞めて暗中模索している中で、最初は仕事が何かあれば、という感じでしたが、会えば会うほどそのお話の深さに魅了され、生き方に尊敬の念を覚えるようになっていきました。

そして、一足先に「田んぼと畑の耕育教室」というのを始め、その話をしながら、髙柳さんも「そういうのがあるんだ」と消費者交流に興味をもってきました。

そして、私が「いつもお話頂いている内容を、他の方にもお話すればきっと喜ばれますよ」という感じになり、髙柳さんと教室をやることになったのです。

それから今年で9年目。来年は10年目になります。

もともとは私の思いから始めたこの教室ですが、既に髙柳さんにとってもライフワークになっていると思います。

 

髙柳さんも1月で72歳。あと10年出来るかな?

この教室の運営は、私の人生で心に残る最大の仕事の1つになるんだろうな~