充実した10月の「食と命の教室」

3連休のど真ん中は、先週に続いて初の2週連続の「食と命の教室」です

最も人気のある回の1つである「糀作り」ですが、2週連続になってしまいましたが、この日程は外せなかったのです。というのも、10/17は神嘗祭という五穀豊穣を神様に感謝申し上げる日で、高柳家はこの日に向けて甘酒をお供えするために糀作りをその前に済ませる必要があるからです。

ということで、今回は盛りだくさんですよ

まず、朝、集合したら火起こしです。

薪を割って、釜でお湯を沸かす作業からスタート。火遊びは大人に経っても面白いですからね~

お湯が沸いたらご飯を蒸し、それを薄く広げて熱をさましながら、塊をほぐします。

糀菌を振るためには40℃を超えると良く無いことと、塊があると糀カビが中まで入っていきにくいからです。

昔は直接むしろの上でやっていたそうですが、今は一応、むしろの上に布を敷いて、その上でまぜまぜ。

温度が下がりバラパラに出来たら糀菌を振ります。

その後はこのように山にして包んで保管。まとめることで熱がこもって自然発酵がスタートする、という仕組みですね。

さて、糀作りが終わったらお昼なのですが、みなさん、先週から狙っていた物があります。

それは「枝豆」です

まだ鞘が膨らみきっておらず、時期的にはちょっとまだ早かったのですが、「食べたい~」というご要望から、高柳さんが育てている小糸在来という在来種の枝豆を収穫。

さきほどご飯を蒸した釜の残り湯でさっと塩ゆでして出来上がり

お昼も相変わらず豪華です

その中でも、小糸在来はやっぱり美味し 香り、旨味など最高です

お昼休み、参加者からのご要望で、高柳家の「赤本」が初登場。

初めて見せてもらいまいたが、あまりに年季が入っていて貴重過ぎて、みんな恐る恐る2~3ページ開いただけでしたが、凄かった

 受験対策本の赤本の由来となったのが、この本当の「赤本」です。日本中の民間療法をまとめたもので、戦時中に負傷兵や退役兵、あるいはその家族に国が配布したため、日本の多くの家庭にあった、と言われている国民本です。


 実際、高柳さんのお父さんは、この赤本で「脊椎カリエス」というガンを自ら克服したそうで、病院に任せた仲間は全員死んでしまった、というエピソードがあります。その現物はもうボロボロですが、逆にその使い込み用がわかります。


 昭和20年に高柳さんにお父さんに配布された、という一文が入っており、きちんと1人1人にこういった文を添えて配布していた、ということがわかりました。ちなみに、我が家にある赤本は現代語訳版で内容も少し違う物でした。


 これを見て、その場でAmazonやメルカリでポチする参加者も

 メルカリでは1800円、Amazonでは7000円で買えたようですが、6年ほど前は版元から6000円で買えました。ただし、レアな本なので出回っておらず、1万超えの値をつけている転売やーが売っているのがほとんどなので注意が必要です。


 なお、赤本は堅い文章なので、東城百合子さんの「自然療法」を読みこなせない人は買っても多分お蔵入りです。

 それにしても貴重なものを拝見させてもらったな~

 

 さて、午後の部ですが、農作業も一段落していたので、収穫したお米がどのような工程を経て、みなさんが買っているお米になっているか、使う機械を見学しよう、ということにしました。

 と、その前に、道すがら、先週も見たゴマが。先週参加出来なかった人もいたので、乾燥中のゴマの見学。

 このようにもう立派なゴマです


 まずはコンバイン。これで刈り取り、脱穀を一気にやってしまう優れもの。

4条、つまり4列を一気に刈り取れるものですが600万です。

キャビン付き、つまり普通の自家用車のように天井がありガラスに囲まれていてエアコンがついている大型のは1000万円です。無ければもう稲刈りなんて出来ないけど、買うとむちゃくちゃ高いのです。

 コンバインで籾の状態にしたものは、乾燥機で15%以下の水分量に下げます。そうすることで貯蔵が出来るわけです。

その後、籾擦り機で玄米にし、石取機で小石を取り除き、これで玄米となります。

白米の場合は、精米機で玄米から薄皮をとって白米にし、色彩選別器(100~150万)で虫食いや色付きの米粒を弾きます。

お米を袋詰めするまでに必要な機械のトータル投資額を聞いて、みなさんびっくり

「そりゃ、お米をやろうとする人が出てきませんよね~」という反応でした

 そして夕方のお話は、何故この時期に糀を作るのか、という事で、10月17日の神嘗祭の甘酒作りのお話から、各村々に神社があって、その神社を中心に人々は集い、共同体として生きてきた、というお話。

 例えば昔の七五三は村の行事で各村長が子供達を神社に集めてみなで「各家の跡継ぎだけではなく村の跡継ぎも育ったということを祝ったんだ。今はバラバラに華美に子供を着飾らせて家族単位の行事になってしまったな」といったお話など。


 お米にまつわる日本人の年中行事は伝統であり、神事であり、村の共同体をまとめるものでもあった、という事をみんなで学びました。深いな~

 そして糀作りは3日かかるので、3人がお泊まり。夜通し語り合ったんでしょうね